慢性腎不全患者の透析中の血圧低下の指示について

慢性腎不全患者の透析中の血圧低下の指示について

質問

慢性腎不全患者が透析中に血圧低下し、
「輸液による負荷」の指示、
水分を引いているのに輸液を足すのはなぜ?

 

 

 

 

 

おさえておこう。医師支持の根拠はこれ!

 

①透析中の血圧低下の理由と危険
透析中の血圧低下の最大要因として、循環血漿量の
減少があげられます。

 

そのため透析中であっても
血圧低下を改善するためには輸液で循環血漿量を補います。

 

透析で除水を行うと、

 

水分を血管内からひかれ、
循環血漿量が急激に減少します。

 

これを補おうとして細胞内の水分が間質へ

 

さらに,間質から血管内に異動してきます。

 

この現象を「血漿フィリング」と言います。

 

「血漿フィリング」速度と除水の速度のバランスが保持できていれば、

 

血圧は低下することなく除水できます。

 

しかし、「血漿フィリング」の低下や急激な除水などで

 

「血漿フィリング」速度が循環血漿量減少に追いつかず
循環血漿量が減るとき、血圧は低下してしまいます。

 

血圧低下は冠血流や脳血流の低下につながり、

 

患者の予後に影響します。

 

透析中の急激な血圧低下や透析終了後の

 

起立性低血圧は予後不良と相関していることも報告されています。

 

血圧低下を防ぐ事は、一般的な状態悪化を予防するだけでなく

 

長期的な視点で見ても大切です。

 

②輸液投与の実際
血圧低下時には主に以下のような輸液投与が行われます。

 

①生理食塩液を投与し、
直接的循環血漿量を増加させて血圧をあげます

 

②高張液(10%・20%塩化ナトリウム、50%ブドウ糖液)を投与し、
血液の浸透圧を高め、血管外から血管内へ水分を引き寄せます。

 

それより血液量が増え、血圧をあげます。

 

③血管内から組織へ移行しにくいマンニトール、
グリセオール、アルブミン製剤や低分子デキストランを投与し、
血管内へ水分を保持することで血圧をあげます。

 

医師指示に対する看護のポイント

 

①塩分と血糖に注意
高張の食塩液を投与した際には、そのあとの患者が体重増加に注意しなければなりません。

 

透析中に高張の食塩液として投与された塩分は透析中には
ほとんど除去されず、体内にとどまります。

 

体内に貯留した塩分は、
口渇を増強して飲水量を増やし、

 

次の透析までの体重増加に繋がります。

 

またブドウ糖を投与した場合、
高血糖になることがあるので、
透析終了時には血糖測定を行いましょう。

 

②糖尿病患者や高齢者は血圧低下をきたしやすい
通常、循環血漿量が減少すると、
血圧低下を防止する代償性の自律神経反射が生じます。

 

これにより末梢血管が収縮するため、血圧は維持されます。

 

しかし糖尿病患者や高齢者では
自律神経障害や動脈硬化からこの代償機能が低く
循環血漿量が減少しても末梢血管が十分に収縮せず、
血圧が低下しやすくなります。特に注意して観察しましょう

 

③血圧低下のサインを事前に察知する
急激な血圧低下をきたす前に、
血圧低下の徴候が現れることがあります。

 

あくび、冷汗、倦怠感、悪心などの症状を察知したら
血圧低下を疑い、バイタルサインを測定しましょう。

 

実際に血圧低下をきたしている場合は、
循環血漿量減少が考えられるので、
医師に報告し、一旦除水を停止するか減速し、
輸液投与を行います。

 

循環血漿量減少のほかにも、
血圧低下をきたす要因はいくつかあります。

 

除水中止や輸液投与でも血圧が回復しない場合は、
必要に応じて下肢拳上や酸素投与、昇圧薬投与なども行いながら原因検索を行いましょう。

 

血圧回復後は、除水量や除水速度の変更、
その日の透析継続の有無などの検討を行うとともに
今後の透析による血圧低下の予防策を考えていく必要があります。

 

参考文献:月刊ナーシング

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